米山隆一郎書評集

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第82話 世界の情報を英語で知る 「シンプルな英語」中山裕木子(講談社現代新書)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

2021年初版。

日本人には英語が難しいというが、当たり前だ。日本語と英語では文の構造も表記も全然違う。難しいものはシンプルに考えた方が良いと相場が決まっている。

 

日本人は明治の始まりより前であれば漢文を読めることが普通だったらしいので、中国語と日本語の両方を読めていたことになるだろう。現在も漢字があることを考えると、日本語、漢字、英語の3言語を使っている様なものだ。それに比べて緩いことに大体のアメリカ人やイギリス人は英語が母国語で英語だけしか使っていない。学生時代に英語を学ばされるのも、アメリカに占領されたからだと思う。英語を流暢に話す必要は全くないのに、話すならペラペラとネイティブのように話せないとダメというような空気感も間違っている。

 

この本ではコミュニケーションできるシンプルな英語が身に付くし、自分で英語を学ぶ方法やコツも書いてある。書いてあることを実践できれば高いレベルまで達せられるし、その先は自分次第でどこまでも行ける。著者は英語の力があり、導き方が上手い。苦労して英語を身に付け、それをみんなにわかりやすく教育してくれている。とても良い本だ。

 

日本では英語を使う必要がない状況にあるが、折角学んだ英語を最大限利用することには賛成できる。というよりも使った方が賢い。

好奇心で英語を使って、さらに今ITを使って、世界を知ることができるようになったので、知的好奇心を存分に満たせるという史上かつてない状況である。世界は急に広く大きくなり情報量も昔と比べて桁違いだ。英語をツールとして世界を知り尽くしたい。学びに終わりはない。

シンプルな英語 (講談社現代新書)