米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第38話 マンガでしか語りえぬ「マンガは哲学する」永井均(岩波現代文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 哲学者永井均の本はこれまで何冊か読んで来た。また永井の前には哲学者中島義道にある時期嵌っていて、今でも興味があるが、積読中。つまり哲学のスタートは中島で、その嵌り方はとても尋常ではなく、そして哲学の分野に興味を持つようになった。 …

第37話 翻訳できるくらいの英語力を「英文翻訳術」安西徹雄(ちくま学芸文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 英語の文章を日本語に翻訳するときの、日本人が苦手とする分野を取り上げて適切な訳の選び方が学べる。採用されている英語の文章が比較的難しく、その場で適切に英語に訳せるかと言われると難しいものもあった。今読んでいる英書を一つとっても、…

第36話 普遍的に大切なこと「こころの旅」神谷美恵子(みすず書房)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 神谷美恵子の「生きがいについて」を読み終えたのは2009年6月。読後尋常ではない衝撃を受けたが、兎に角モチベーションがとても上がったことをよく覚えている。読んだ本の中でも重要本ランキングがあるとするならば上位にあると思う。しばらく積読…

第35話 量子力学を学び始める「クオンタムユニバース 量子」 ブライアン・コックス&ジェフ・フォーショー 伊藤文英訳

3⭐️⭐️⭐️ 量子力学の本。全11章とエピローグ。2016年6月20日初版。他人から貰った。 8割位の理解。今現在、新聞ではより新しい事が記事になっていることもあるし、他の宇宙に関する新書の知識もあるからとは、と思っていた。 量子力学も科学技術で応用される…

第34話 記憶の変化と世界の変化が同期する「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下)」村上春樹(新潮文庫)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下)」を読了。本作の構成は「世界の終わり」の章と「ハードボイルド・ワンダーランド」の章が交互になっていて上巻21章、下巻19章の合わせて40章。全40章の中でも29章(下巻)が一番面白…