米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

2022-01-01から1年間の記事一覧

第61話 2022 ワールドカップ カタール 観戦記 

2022(令和4)年12月23日 2022 ワールドカップ カタール 4年に1回のサッカー(フットボール)ワールドカップがカタールのドーハで1カ月間に渡って開催され、時差6時間の条件の中メディアを通して観戦した。全試合観るという当初の意気込み通りほぼ全試合を夢…

第60話 苦悩と傑作「歯車 他ニ篇」芥川龍之介(岩波文庫)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 「歯車」は芥川龍之介の遺稿の一つ。 「歯車」あらすじ 筋のない小説の一種で、きわだった構想はないが、幅の広い作品で、芥川龍之介が直面した人生の種々相をそっくりとり入れようとしている。 作品を順に4つに分けると ① 知人の結婚式に向かう…

第59話 資本主義からコミュニズムへ「人新世の資本論」斎藤幸平(集英社新書)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 画期的な本。2021年新書大賞第1位受賞作。 気候変動という人類存続に関わる地球の問題と、資本主義ではごく僅かな富裕層と多くの貧困層に分かれる社会問題と、仕事の多くがブルシット・ジョブ(クソくだらない仕事)であること、などの問題解決…

第58話 困難な格差社会「無理ゲー社会」橘玲(小学館新書)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 1960年代、平和で豊かな時代が続いた中、アメリカ西海岸で「自分らしく生きる」というリベラルな社会の新たなルールが生まれ、世界中に浸透する。そのなかで社会的・経済的に成功したものが評判と性愛を獲得するという困難なゲーム(無理ゲー)を…

第57話 知恵を使おう「ヒトの壁」養老孟司(新潮新書)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 心筋梗塞を患った著者をたまたまyoutubeで見かけたら、本書に書いてある通り瘦せてしまっていた。老いと病というものを目の当たりにした。病院に行ったときの状況が本書では書かれていて、著者が元気な頃に書いた文章と本書は少し趣が違うように感…