米山隆一郎書評集

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第46話 日本の現状 世界の現状「サクッとわかるビジネス教養 地政学」奥山真司(新星出版社)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

地政学とは、国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考えるアプローチのこと。国の行動には、地理的な要素が深く関わっている。

地政学の最大のメリットは、自国を優位な状況に置きながら、相手国をコントロールするための視点を得られること。

バランスオブパワーとは1位の国と2位の国は対立し、1位と3位は協力関係になること。

大きな国際紛争は、常にランドパワーとシーパワーのせめぎ合い。ランドパワーとは、ユーラシア大陸にある大陸国家。シーパワーとは、国境の多くを海に囲まれた海洋国家。

沖縄米軍基地は完璧な拠点。拠点に必要な要素を完璧に備える。米海軍横須賀基地は世界一の設備。

日本は海に囲まれていることと、米軍基地があることで、第二次世界大戦後において平和な状態が続いている。

中国は対馬列島と尖閣諸島を手に入れて近海を制覇したい。

ロシアは主義・思想によって対立を続けているように見えていたが、実はもうイデオロギーの対立よりもロシアの領土拡充問題になっている。ロシアは、まず共産主義というイデオロギーで失敗し、次に資本主義というイデオロギーで失敗したので、強烈なリーダーシップと地政学的戦略で世界一の領土をもつことで自国の利益を維持している。

北方領土はロシアには大事なお宝だけど、日本における重要性は低く、海の向こうのアメリカや中国をけん制するのに重要拠点になっている。

この本から分かったことは、地政学という観点から世界を観ると世界で今起こっている国と国との鬩ぎ合いは隣国との関係だけではなく、大国の影響力や地理的条件の他にも多くの要因が関係していることが分かる。

なぜ様々な地域で国際的な問題が頻発して起こっているのかということが、自分の頭では理論的に整理できなかったけれども、この本によって世界は現状こうなっているというある程度の理由が分かりとても良かった。

サクッとわかる ビジネス教養  地政学

サクッとわかる ビジネス教養  地政学

  • 発売日: 2020/06/16
  • メディア: Kindle