4⭐️⭐️⭐️⭐️
初版1972年。
Ⅰ.近代文学の流れ、では明治期の始まりから昭和33年の開高健と大江健三郎が芥川賞を受賞する所までの文学史をひたすら詳しく主に事実の列挙という形で書かれている。著者の知識の多さに脱帽する。
よく〜主義や〜派などという表現が出て来るが、実際それに当たる作家の小説を読まないと、実感が湧かないのでこの機会に読もうと思った。
“「すぐれた作品はすぐれた人格によってしか書けぬという信条である」”
と私小説の所で書かれており、すぐれているということはやはり大事。どんな分野であれすぐれていることは素晴らしいので目指したい。
“「国文学の素養が彼女の文学に独自な色彩を添えている」”
とある。日本文学、特に古典も読みたいと思っている。
漱石山脈という大正期の漱石とその弟子たちによる思想・文化の巨大なバックボーン、という表現があって漱石にも興味があるので、再読したり、未読の作品は読んでみたい。また漱石について書かれた評論にも興味がある。
Ⅱ.近代詩歌の流れ、では島崎藤村「若菜集」と斎藤茂吉「赤光」という詩集を読んでみたいと思った。前者は近代文学で1番重要な詩集で、後者は芥川龍之介が絶賛していて素晴らしそう。