5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
初版1954年。
この本の近代は明治・大正期で、芥川竜之介が昭和2年に自死するまでの小説史が解説されている。
日本の近代小説の初期に重要な小説家は坪内逍遥で、それからさまざまな小説家が登場する。
著者の文章の流れが明解で、説明が詳しく面白いので勉強になる。
夏目漱石と芥川竜之介は近代小説の2大スーパースター。芥川の師漱石は独自の文明観1つを全ての作品に貫き通し、純文学の枠を超えて読まれた。芥川は芸術性が神がかっている。漱石は自分の命を削ってまで作品を創る姿勢であったし、芥川は「ぼんやりした不安」があると言って自死した。
これから近現代小説を坪内逍遥から読んでみようと思う。古いものの土台の上に成り立っているから、古いものを知らないとわからないこともあると思う。温故知新。