米山隆一郎書評集

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第76話 あの1行の前後をどう実写化?!日本版そして誰もいなくなった!「十角館の殺人」綾辻行人(講談社文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️

1987年初版のベストセラー本格推理小説

丁度最近たまたま実写化されるのを知った。2024年3月22日に配信されるようである。この推理小説を実写化するのは難しそうだ。事件の謎が解明するある1行があって、それを読む前と後との内容を表現するのは、本ではできても映像ではとても難しいのがわかる。これは叙述トリックが使われているためで、先入観を利用したり誤読に導いたりすることで読者を欺く手法だ。

孤島の十角館に大学のミステリーサークルのメンバーが滞在中、連続殺人事件は起こる。以前にもその島で別の殺人事件が起きた。孤島に行かなかった同じサークルメンバーで以前の殺人事件の謎を探る内に、孤島では殺人事件が起き続けている。

アガサ・クリスティーそして誰もいなくなった」は有名な推理小説であり、これを意識して作品を作ったはずである。謎解きとしてとても面白いしストーリーも楽しめる。

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)