米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

サイエンス・テクノロジー

第51話 数学をモノにする「数学ガール」「数学ガール フェルマーの最終定理【途中まで】」結城浩(SBクリエイティブ)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 『数学ガール』は、プログラマー結城浩による、数学を主題にした小説で、その後のシリーズ名でもある。2007年に第1作『数学ガール』が刊行その後、第2作『フェルマーの最終定理』、第3作『ゲーデルの不完全性定理』、第4作『乱択アルゴリズム』…

第39話 脳の中に住む「唯脳論」養老孟司(ちくま学芸文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 現代社会は脳が社会に反映されている、いや脳そのものになったという当時としては斬新であったと思われる31年前にあたる平成元年出版の著作。脳と社会に纏わることの証左を様々挙げながら、また特に著者の専門である解剖学の専門的な知識にも及ん…

第35話 量子力学を学び始める「クオンタムユニバース 量子」 ブライアン・コックス&ジェフ・フォーショー 伊藤文英訳

3⭐️⭐️⭐️ 量子力学の本。全11章とエピローグ。2016年6月20日初版。他人から貰った。 8割位の理解。今現在、新聞ではより新しい事が記事になっていることもあるし、他の宇宙に関する新書の知識もあるからとは、と思っていた。 量子力学も科学技術で応用される…

第29話 ロボット工学三原則「われはロボット」アイザック・アシモフ(ハヤカワ文庫SF)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ AIのトピックが声高に語られるようになり、それと同時にこの本の冒頭にある、ロボット工学三原則もAI時代にふさわしい原則として頻繁に取り上げられることが多くなってきた。この原則は小説家アイザック・アシモフが考えたものであるが、彼のロボ…

第28話 好きなことしかやらない「からだの見方」養老孟司(ちくま文庫)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 「見方」三部作の前二作は口述だったせいか、重みを感じなかったが、本作は丁寧に書かれている。サントリー学術賞をとったこともあり、読み応えがある。 本作で大切だと思ったのは、下記に引用したことにもある通り、好きなことをやる、それより…

第23話 数学心得「いかにして問題をとくか」G.ポリア(丸善出版)

4⭐️⭐️⭐️⭐️数学の問題を解くときの方法論や心構えが書かれている。有益な情報が書かれており、本を通してなるほどという箇所が多く、とても参考になる。とりわけ大学受験の数学に取り組む時に効果がありそう。 下記引用 数字はページ数 14 ・問題が解けなかっ…

第19話 インプット多くない方が良い説「脳の見方」養老孟司(ちくま文庫)

3⭐️⭐️⭐️ 見方三部作で二作目の本作品。Ⅴ綺想 の章が養老先生の生活について養老節が炸裂していて面白く読めた。ⅠからⅣは出版当時はどうだったか分からないが、でもそれを考慮しても凡庸な語り口でそれほど面白くないと思う。専門分野では個人的にはⅥの、発生…

第18話 一所懸命やる以外にやりようがない「ヒトの見方」養老孟司(ちくま文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 私の好きな養老孟司による古い本で、結構長い間積ん読していたが読了した。特に解剖学的な専門知識を必要とするところは飛ばして読んだ。そんな中でも名言に出会う。下記引用 P65「物事をとことん理解するのは、ことほどさように大変である」 P68…

第16話 家ができる過程

第15話 ゆっくりと曖昧に失敗を恐れず「できない脳ほど自信過剰」池谷裕二(朝日新聞出版)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ パテカトルの万能薬、第2弾、こちらも長い間積読してました。下記にあるように自分なりのポイント12点。 1、できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向。これをダニング=クルーガー効果という。しかし能力の低い人でも訓練で、スキル不足に…

第14話 脳細胞は減らない「脳はなにげに不公平」池谷裕二(朝日新聞出版)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ パテカトルの万能薬は週刊朝日に連載されている時、毎週読んでいたけれども、今でも連載が続いているのかなという疑問がある。この本初版本で購入し、長い期間積読していたけれどもついに読了。この本の前に読んだ、ココロの盲点と被っている内容…

第13話 テストは有効、記憶力は衰えない「自分では気づかない、ココロの盲点」池谷裕二(講談社ブルーバックス)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 池谷裕二先生の著作は面白く、欠かさず読むというここ最近の傾向。積読している期間が長かったけれども、ついに読んだよ、この作品。心理学を齧った経験もあることから、慣れ親しんだ効果ばかり。心理学と経済学が合わさった行動経済学も脚光を浴…