米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

第15話 ゆっくりと曖昧に失敗を恐れず「できない脳ほど自信過剰」池谷裕二(朝日新聞出版)

4⭐️⭐️⭐️⭐️

パテカトルの万能薬、第2弾、こちらも長い間積読してました。下記にあるように自分なりのポイント12点。

1、できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向。これをダニング=クルーガー効果という。しかし能力の低い人でも訓練で、スキル不足に気づき成長の余地あり。

2、後世への影響が強い論文は、単に革新性が高かっただけでなく、保守性もまた強かったということ。

3、宗教心は、善行を生む良心よりも、悪行をしない良心を生む。

4、褒める「強化」、叱る「弱化」、褒めるだけが学習成績がよい。叱ってはいけない。

5、我慢(精神的に消耗)すると、忍耐力が下がる。この自我消耗を克服する方法は、ブドウ糖の補給。

6、一般に、記憶は正確であっても、高速であっても不都合。ゆっくりと曖昧に覚える。今回の失敗を過去の失敗経験に照らして上手に認識することで上達。プロとはその道のあらゆる失敗を知っていること。

7、ダ・ヴィンチは、興味がないのに勉強しても記憶にとどまらない、つまり興味をもっているときに勉強せよと主張する。

8、尿酸値の高い人は、記憶力や認知機能が高く、また将来に認知症になりにくい。天才達が痛風に悩まされていたという記録あり。

9、遺伝子で定まる特定の才能に固執するより、未開拓の潜在能力に注目したほうが、はるかに健全ですし、素敵な生き方だと思う。

10、一つ独学で試行錯誤で最適解を探すタイプ、二つ成功者の真似タイプ、三つ周囲の平均的な意見に従うタイプ。柔軟に戦略を変える必要があるが、実際には、思考癖になっていて柔軟性が少ないが、集団社会では多様性となり役立っている。

11、単に好きだからやっているだけという人がよい成果をあげている。好きに理由なし。

12、脳の柔軟性がますます重要。未来を自ら造ること。

できない脳ほど自信過剰

できない脳ほど自信過剰