米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

第23話 数学心得「いかにして問題をとくか」G.ポリア(丸善出版)

4⭐️⭐️⭐️⭐️
数学の問題を解くときの方法論や心構えが書かれている。有益な情報が書かれており、本を通してなるほどという箇所が多く、とても参考になる。とりわけ大学受験の数学に取り組む時に効果がありそう。

下記引用 数字はページ数

14

・問題が解けなかったら、まずそれと似通った問題を解け

・与えられたものは皆使ったか、条件は全部考慮したか

40

とにかくこのようにして解答を見渡し、これを精しく検討する習慣を身につけるならば知識がよく整理されてすぐ役に立つようになり、問題を解く能力が上達するであろう。

44

・もしも最初からあまり細部に気をとられすぎると目標を失ってしまうことになろう。それは重点を見失わせる原因になる。木を見て森を見ず。

・もっと大切なことの為に努力を惜しむべき

問題は何がいちばん本質的なものか知ること

45

未知のもの、与えられるもの、条件、はそれぞれ何か。

53

二つの証明一つにまさる。

97

われわれの思考は必ずある目的に向けられている。われわれは手段をまとめ、問題を解こうとするのである。

98

1.問題の理解、目標を見失わない、解こうという強い意志

2.計画をたて、適当な方法をみつければ、半ばとけたようなもの。勤勉は成功の母、目的がはっきりしていれば迷うことはまれ。

3.愚かものが最後にすることを賢いものは最初にする。

4.証明は1つよりも2つあったほうがよい。

106

真面目な科学の問題をとくためには、長年にわたる苦闘とにがい失敗とを切り抜けなければならない。

107

・君は希望がなくてもそれを実行し、成功しなくても我慢しなければならない。

・与えられた問題がとけなかったならば、何かそれに似た問題をとこうとつとめるべきである。

・問題をとこうとする意思がないばかりか、問題を理解しようともしないから、結局問題を少しも理解していないのである。

120

・難しいことを、図形をみたり代表の記号をいじったたけで言葉を少しもつかわなくても考えることができることを知っている。図形と記号とは数学的なものの考え方に深くむすびついていて、それが心の働きを助けるのである。

・とにかく数学の記号を使うことは言葉を使うのとよくにている。数学の記号は言葉のようなもの、即ちぴったりしたことば、簡明で、明確で、しかもふつうの文法のように例外などがない規則にしたがって表現である。

133

数学においても物理的科学におけるようにわれわれは観察と帰納をつかって一般的な法則を発見する。しかしただちがうのは物理的科学では観察と帰納以上の権威をもつものはないが、数学では厳密な証明という権威があるということである。

138

教育の規則

教育の規則の第1は何を教えるかということである。教育の規則の第2は教えようとすることよりほんの少しよけいに知っているということである。

138

ライプニッツ

私の考えでは発見それ自身よりも、どうしてそれが発明されたかを考えることの方が面白い。

140

未来の数学者も模倣と実行とによって学ぶことに変わりない。よい模倣の手本を見出すべきである。何よりも大事なことは普通の教科書をよむばかりでなく、自分が本当に模倣しようと思う著者をさがすためによい本をよむことである。

147

問題がとけなかったら

問題がとけなかったらそのことを考え余り気にかけないで、もう少しやさしい問題をとくことで満足しなければならない。即ちまずこれと関連した問題をとこうとするのである。そうすれば又もとの問題をとこうという元気がでてくるに違いない。

148

問題を変形させること

154

われわれが非常な熱意をもってそれをとこうとし、異常な緊張をもってとりくもうとする問題だけがこのような成功をおさめるのであって、意識的な努力と緊張とは無意識の仕事にはかくべからざるもののようである。

155

・ゆったりした態度で、適当な判断の下に、よく適した場合に規則を適用し、行動の目的や事態の機会を見失うことがないのがほんとうの大家である。

・適切な使い方をよく学び、試行錯誤によって、経験をもととして学ばなければならない。

・生兵法をふりまわしたくなりそうで、何かたよりになる規制がほしかったら、いつもまず自分の頭で考えよ。

158

ばらばらの事実に比べて関連しあった事実の方が面白く記憶しやすい。

199

すべてのデータをつかったか。

200

すぐれた解答者はまずできるだけはっきりと問題を理解することにつとめなければならない。しかしそれだけでは十分ではなく問題に集中し、その解を熱心に求めなければならない。もしも問題をとく熱意がなかったらそれに手をつけぬ方がよい。ほんとうに成功するためには全身を問題にうちこまなければならないのである。

225

問題を熱心にとこうとつとめた読者にこそ、ヒントや解答がほんとうに役にたつものである。

いかにして問題をとくか

いかにして問題をとくか