米山隆一郎書評集

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第4話 いくらやっても上達しないは得がたい経験「修業論」内田樹(光文社新書)

4⭐️⭐️⭐️⭐️

文化放送の「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」で、取り上げられていたのがきっかけで読んでみた。期待した程には良くなかったけれども、次の引用箇所がとても良い。

p203「そもそも原理的に言えば、「無駄な稽古」というのはないのである。いくらやっても上達しないというのは、ある意味で得がたい経験である。「なぜ、これほど稽古してもうまくならないのか」という問いをまっすぐに受け止めて、稽古に創意工夫を凝らしたものは、出来のいいプログラムを丸呑みして無駄なく上達し、ついに悩んだことがないというものよりも、しばしば深い。」

この部分があったからこの本は良いと言える。