米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第119話 青春歩行祭「夜のピクニック」恩田陸(新潮文庫)

3⭐️⭐️⭐️ 第2回本屋大賞受賞作品。北高校の高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロメートル歩き通すという、伝統行事である。主人公は二人の高3の男女、西脇融と甲田貴子である。周囲からは付き合っているのではないかと噂…

第118話 優しい家政婦「博士の愛した数式」小川洋子(新潮文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 帯に、「270万人が泣きました。伝説の第1回本屋大賞受賞作」とある。本屋大賞の最初の受賞作であり、映画化もされ、270万部を売り上げている作品ということは、傑作と言ってもよい。私は映画を観ていないが、博士は寺尾聰、家政婦は深津絵里が演じ…

第117話 社会で生きる「学びの本質」山田肖子(新潮新書)

3⭐️⭐️⭐️ 著者は早稲田大学を卒業した後、アメリカの大学院へ行き、専門を比較国際教育学とアフリカ研究、として博士課程を終えている。今は名古屋大学大学院国際開発研究科教授。アフリカで、4半世紀に及ぶフィールドワーク、歴史探究から見えてくる「知」の…

第116話 語る必要なし「読んでいない本について堂々と語る方法」ピエール・バイヤール 大浦康介訳(ちくま学芸文庫)

1⭐️ この本はある読書サイトでお薦めしているのを見かけたので気になっていたところ、ブックオフで見つけたので買ってみた。著者は外国の文学部の教諭をしているので、読まずに語らなければならない本というのがあるらしい。読んだことないと正直に言うとか…

第115話 大学での卒論の書き方 「情報生産者になる」上野千鶴子(ちくま新書)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ 女性のラスボスと巷のどこかに書いてあったような上野千鶴子、の論文の書き方の本である。私の大学卒業論文執筆はかなり厳しめの男性指導教諭の工学部研究室であったので、書いた卒論には自信があるけれども、この本で書かれている社会学の論文執…

第114話 失われた30年からの復活「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ」齋藤ジン(文春新書)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 1990年代頃から失われた30年を新自由主義の時代だったという。日本は伸び悩み世界でも取り残された。その新自由主義の時代とは何だったのか、というのがこの本の大きなテーマになっている。著者は性的マイノリティとして日本の都市銀行勤務を辞…

第113話 思い込み「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」西林克彦(光文社新書)

4⭐️⭐️⭐️⭐️ この本の帯に「ほとんど宣伝してないのに、口コミで20万部突破!仕事・受験に役立つ一冊。続々重版!驚異のロングセラー」とある。本の題名から、読解力がつかない本当の原因が書かれてあり、その原因というのが、わかったつもり、になっている状…