米山隆一郎書評集

読書記録を楽しむ

第18話 一所懸命やる以外にやりようがない「ヒトの見方」養老孟司(ちくま文庫)

4⭐️⭐️⭐️⭐️

私の好きな養老孟司による古い本で、結構長い間積ん読していたが読了した。特に解剖学的な専門知識を必要とするところは飛ばして読んだ。そんな中でも名言に出会う。
下記引用

P65「物事をとことん理解するのは、ことほどさように大変である」

P68「やる時は一所懸命やりなさい、としか言いようがない。結果がどうあれ、ものごとはそれ以外にはやりようがない」

P70「世の中にわからぬことがあるくらい癪なことはない」

P72「大学は勉強をするところであり、それには際限がない」

P116「もっぱら食う為に働くか、空いた時間を見つけてさまざまなゲームにはげむか、という問題である。あるいは、実業にはげむか、学問、芸術にはげむか、という問題である。そんなものに既製の答があるわけはない」

P203「本人が楽しんでやっている仕事の良さは、はたから見てもその仕事が楽しい、というところにある」

P301「何事にも人は慣れる。数学が判らない時に、いちばん判っていない状態では、自分は何が判らないのか、がまず判らない。これを昔から、何が何だか判らない、と言う。しばらくすると、どこが判らないのか、判らない所がはっきり判ってくる。本当に話が判るのはそのあと、である。

ヒトの見方 (ちくま文庫)

ヒトの見方 (ちくま文庫)