米山隆一郎書評集

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第7話 シンプルに考える「「好き嫌い」と経営」楠木建(東洋経済新報社)

5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

楠木建にハマり出してここまで来た。そして今回著名な経営者たちの好き嫌いを抉り出すというコンセプトで対談集になっている。彼らの胸に響く言葉は以下に引用したが、その中でも出口治明の言葉に意表を突かれ、その深い言葉に感銘を受けた。

原田泳幸

複雑なことを簡単に理解させる。これで初めて相手が行動するわけです。常に簡単に考える。非常にシンプルに考える。

【佐山展生】

自分のことは人に相談をしないことですね。

自分のことは自分が一番わかっていますし、私はみんなが行かない道ばかりを歩んできていて、だから面白いのです。みんなと違う道を歩いてこそ誰も知らない発見や喜びがあるのです。みんなにそんなことできないでしょうと言われたことが、やってみたらできたりしますしね。

人生というのは自作自演のドラマ。自演というのは変えられないが、自作の部分、シナリオは自分で変えられます。人生が面白くないなら自分でシナリオを面白く作り替えればいい。

悩みは案外ちっぽけなものでしかないことがわかることや、また今ある世界がすべてではない。

結局人間は自分が一番自分のことをわかっている。自分が好きなことをやって力を発揮する。

藤田晋

本当に好きなことだったらパワーが出るし、好きじゃなかったら出ない。結局そういうところで自分自身が勝負する土俵が決まっていくのだろうと思う。

出口治明

一番つまらない生き方は何か。それは人生の目的のために一心不乱になること。川の流れのように自然に流れていくのが、一番素晴らしいですから。

楽しければいいと思います。僕は価値観の押しつけが一番嫌いなので。

みんな失敗するんだから、失敗しても何も怖くない。成功したら儲けもの、という認識がわかったら、気軽にチャレンジできるようになります。

仕事なんかどうでもいいと思っているんですよ。

人間にとって大事なのは、良いパートナーを見つけて楽しい生活を送ることで、仕事なんて価値がない。価値がないものだったら、何でそんなもののために上司にごまをするとか、人からどう思われるとか、そんなしょうもないことを考えるんだと。どうでもいいことだったら好きにやればいいじゃないか。思うとおりやって、チャレンジして、いやだったらチェンジすればいい。

仕事で落ち込んだり悩んだりしている人は、人生における仕事の位置づけが間違っている。

人間と人間が作る社会に対する洞察力が欠けている。

小説、飲み、遊び、世界旅行が大事で、仕事なんかどうでもいい。

前澤友作

反省して悪いところを改めるだけじゃなく、自分本来のスタイルや考え方まで変えてしまうと元も子もなくなる。

楠木建

仕事がきついかどうかなどということは、そもそも良し悪しというよりその人の好き嫌いで決まる。

向いてなかったら次行ってみよう!というのが正しい姿勢。

 

「好き嫌い」と経営

「好き嫌い」と経営